はじめに
自動車保険には、フリート契約というものがあります。法人の自動車保険の中では比較的有名な契約になります。
フリート契約とは、法人で社用車を10台以上持っている場合に適用されます。個人契約ではなく会社・法人契約のみとなります。
契約が1度で済みますので1台ごとに保険契約を行う必要はありません。事務手続きの効率化をすることができます。また保険料も個別に行うよりも割引されますので社用車を多く持つ会社にとってはメリットがあります。
ただ、デメリット・注意点もあるので、フリート契約をする前に必ず知っておきたいことをまとめました。
フリート契約とノンフリート契約
フリート契約とノンフリート契約の違いは割増・割引率の適用範囲、割増・割引率の決定方法、年齢条件、保険証券などがあります。
割増・割引率の適用範囲はフリート契約は契約している自動車全てに適用されます。ノンフリート契約は1台ごとになります。
割増・割引率の決定方法は総契約台数と保険料・支払われた保険料・前年の割引率によって決定します。またノンフリート契約は前の契約期間・ノンフリート等級割引率・事故有係数適用期間・事故件数の期間によって決定します。
年齢条件はフリート契約はありません。ノンフリート契約では35歳までは段階的になります。その他にも設定条件などがあります。
保険証券はフリート契約では契約者単位です。一方ノンフリート契約では各自動車ごとに適用されます。
フリート契約は契約しているすべての自動車に効力が及ぶ。一方、ノンフリート契約では自動車1台ごとの契約になります。
フリート契約のメリット
まず、1台でも事故を起こすと補償がされます。大きな事故を起こしてしまうと数億円の賠償などということもあり得ます。フリート契約ではこのような場合でも補償の対象になります。また保険料が年計算ではなく日割り計算になっているところもあります。気軽に加入できるという点もプラスといえます。
次に、保険料の割引率が高くなります。ノンフリート契約の割引率は最大でも65%からせいぜい70%程度です。対してフリート契約の割引率は最大で75%から80%近くいくところもあります。割引率が高いという点でもプラスがあります。前者が無事故だと割引率が高くなる・契約している車の台数が多いほど割引率が高くなる・軽度な事故を起こした車があっても割引が適用されることもあるということです。
また、フリート契約の場合は契約時に行う保険証券を1つ取っておくだけです。対してノンフリート契約になると契約ごとの保険証券を取っておく必要があります。管理の面でもメリットがあります。
フリート契約のデメリット
フリート契約のデメリットは、事故を起こすと保険料の上がる可能性が高くなります。事故を起こした車の保険の総支払額と前の年との保険料の比較で翌年の保険料が決まります。1台でも大きな事故を起こしてしまうと保険料の上がる可能性があります。また事故を起こすとノンフリート契約よりも翌年の保険料が割り増しになる可能性が高くなります。
あとは、通販系のダイレクト型自動車保険ではフリート契約を行っていないところがあります。フリート契約に対応していない保険会社の場合だと10台目以降に今までのノンフリート契約を解約後に再度フリート契約を結ぶ必要があります。契約などの事務手続きが煩雑になる可能性もあります。そうなると自動車保険は窓口のある保険会社で行った方が確実性がありそうです。
フリート契約はあくまで社用車が10台以上あることが条件です。9台以下になるとノンフリート契約になります。経年劣化などで使用できなくなった時に新たな自動車を買い直すなどをして何とか10台を保つ必要があります。会社の経費などが苦しくなって9台以下に車を減らしてしまってもフリート契約の恩恵を受けることはできません。
大きな事故を起こさないこと、会社全体で社用車を10台以上をキープすることがフリート契約では大事になります。
ミニフリート契約
ミニフリート契約とはノンフリート契約でも社用車が3台から9台以上ある場合には車の保険契約の日を一括にすることができます。契約の日を一括にしていくことで事務管理手続きを容易にしていきます。
保険料も3台以上で3%程度、6台以上で5%程度の割引になります。ただ契約体系はノンフリート契約になります。これが10台以上になると自動的にフリート契約に変更になります。
まとめ
- 10台以上の社用車を有する場合にはフリート契約を行うことができる。
- フリート契約にすると保険料の割引がある・また契約手続きさらには書類の管理面でメリットがある。
- フリート契約では契約期間が年単位ではなく日単位になる保険会社もある。
- 軽度な事故を起こしても1台程度であれば保険料が割引になることもある。
- 1台でも大きな事故を起こしてしまうとそれだけで翌年の保険料が割増になる可能性があるので注意する。
- 3台以上になると契約手続きなどでメリットのあるミニフリート契約を行うこともできる。
- ダイレクト型の保険会社ではフリート契約に対応していない保険会社もある。
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