興行中止保険(イベント中止保険)加入のメリットと補償の範囲まとめ

はじめに

興行中止保険は不測の事態が起こった時にやむを得ずイベントを中止した時にイベントの会場などを借りた主催者側の損失を補償する保険です。

特にスポーツイベントの行われる会場では、マラソンのスタートゴール地点・音楽のフェスタ・フードイベントなどが大雪・豪雨などの影響で中止になることもあります。

また出演者の病気などを理由に開催ができないこともあります。そのような時はイベントを開催できません。

このような時のために主催者側の損害を填補していくのが興業中止保険です。

補償範囲

興行中止保険で保険の下りるケースはコンサート・演劇・スポーツイベント・花火大会などがあります。また出演者の体調不良・大雪や台風などの悪天候・交通機関の事故などで来場者の安全を考えての中止も適用範囲になります。

その補償範囲はイベントを開催するのに要した経費や中止のために臨時に支出した費用が対象になります。

今までの例をみるとスポーツイベント・コンサート・演劇・音楽祭・パレード・祭り・花火大会・展覧会・博覧会・映画製作・会議・式典などは対象になることが多いです。

ただ自動車販売業界の展示会・お子さんなどの夏季講習会・建設工事・出版物の編集・新商品の開発や製作費用・海の家などの観光などに関しては対象にならないことが多いです。

保険金額

興行中止保険の保険金額は(実際に受けた損害額ー中止に関係なく入った収入ー免責金額)×縮小支払割合になります。

興業中止保険の保険金額は実際に受けた損害の額・イベントでの収入額・免責金額などが絡みます。また縮小支払割合というところも絡むことが多いです。

損害額は実際のチケットなどの払い戻しの費用が対象になります。

免責金額は主催者側で保険以外で新たに自己負担をする額です。損害保険ではある程度の額までは自己負担ということが多いです。

また縮小支払割合というのは元々のイベントの中止を見込んだ係数となっています。イベントの中止の可能性が高い場合での中止になった場合はこの係数の値が低くなります。保険金の支払額が低めに設定されます。

逆にイベントの中止の可能性が低い場合での中止になった場合はこの係数の値が高くなります。保険金の支払額が高めに設定されます。

この係数の値は80%から90%になります。

適用例

実際に興行中止保険が適用をされた例を簡単に紹介します。

花火大会が台風で中止になった事例
バスケットボールの大会が会場の損傷によって開催ができなくなった事例
アルペンスキーの大会が暖冬の影響での雪不足で中止になった事例
音楽の野外ステージが大雨などを理由に中止になった事例
地域の盆踊りがゲリラ豪雨などで中止になった事例
アイドルのコンサートがアイドル当人の負傷によって中止になった事例
絵画の展覧会が商品の絵画の不着などで中止になった事例
地域の納涼大会が台風などで中止になった事例

また小さなイベントや町内会の行事が天候不順や主催者側のアクシデントなどで開催ができなくなった場合でも補償がされることも出てきています。

一緒に加入したい保険

興行中止保険と一緒に加入をしたい保険は施設賠償責任保険・傷害保険などがあります。

施設賠償責任保険はイベント会場の安全管理が不十分であったために事故が起こってお客様がけがをしてしまったなどの場合には損害賠償を請求される可能性があります。そのような時に賠償の対象になる保険です。会場の管理が甘いことなどを理由にお客様がけがをしてしまうと賠償となってしまう可能性が考えられます。そのような時にこの施設賠償責任保険が役立つこともあります。

また傷害保険は開催中のイベントなどでイベント会社の社員の方や会場設営の応援に来たアルバイトの方がケガをしてしまったなどの場合に治療費などが保険金として下りることがあります。けがだけでなく死亡・高度障害・入院・手術・通院なども当然保険の対象になります。

加入のメリット

最近屋内外のイベントなどがゲリラ豪雨・台風・集中豪雨などの気象上の影響で中止になっています。気温の高い夏になる年も多くそうなるとその前後の時期に気温差から豪雨レベルの大雨になることも多くなってきています。そうなるとイベント自体が中止になってしまうことも少なくありません。

そのイベントが中止になってしまうことでイベントの開催を予定していた主催者側の企業が大きな損害を受けてしまうことがあります。イベントが中止になった時の払い戻しの費用・会場費用・講師などの報酬・軽微や設営などのイベントスタッフの費用など様々な費用を先出することが多くなります。それ自体が突発的な天候不良で中止になることで受ける開催者側のダメージは計り知れません。

そのような時のためにも興行中止保険の加入の検討を考えていただきたいです。少しでも開催が不能になった時のための資金の回収ができるようになります。

また関連する施設賠償責任保険や傷害保険の加入をしておくことでイベントなどが中止になった時の補償がかなりの範囲で行われます。

イベントは主催者側だけでなく参加者のお客様側にも大きな影響が出ます。双方の大きな損害を少しでも食い止めるための保険に加入することは欠かせないのではないでしょうか。