動産総合保険加入のメリットと補償の範囲まとめ

はじめに

動産総合保険は動産で火災保険・自動車保険・工事保険などでカバーされないものについて補償されます。動産総合保険は火災保険とよく似た特性を持っています。火災保険の方が適しているケース・動産総合保険の方が適しているケースなど多々あります。

動産の種類

動産総合保険の対象になる動産の種類は自動車・船舶・飛行機・組立中の機械や設備など以外のモノになります。これらの動産に関しては自動車保険・船舶保険・組立保険などの対象になります。よってこれらの動産は原則除外されます。

事故対象

動産総合保険の事故の対象は保管中・運送中・展示中の事故に限ります。さらに爆発・火災・風災・雪害・破損・衝突・水漏れ・盗難・いたずらなどのあらゆるケースになります。ただ台風・集中豪雨などの水害はカバーされていませんので注意です。

動産総合保険にマッチするケースは以下のような事故の時です。

動産の製造・保管・運送・販売などを自社で一手に管理している場合

自動車・船舶・航空機以外の動産をリースに出している場合

外部に展示品として出品する場合

高価な動産を販売している場合

事業所内に多額の現金・小切手等を保管している場合

これらのケースでは火災保険ではカバーされないことが多くなります。そのため動産総合保険に加入しておくことで最低限度のカバーがなされます。

特長

動産総合保険の特長としては補償したい商品を個別に契約できます。火災保険の場合は機械・設備などカテゴリごとに分ける必要があります。高額な一品商品を契約したいなどの方は動産総合保険の方が向いています。

あとは動産総合保険の場合は補償の上限がありません。火災保険の場合は現金や小切手などの補償額は30万円程度までになります。事務所などに多額の現金がある場合には補償制限のない動産総合保険の方が適しています。

補償範囲

動産総合保険の補償範囲としては、対象になる動産の「保管中・運送中・展示中」だけではありません。それ以外にも以下の場合で補償されます。

損害の発生や被害の拡大を防ぐための費用

損害を受けた商品の処理・解体・片付けなどをした場合の費用

損害対応をするための交通費・宿泊費などの費用

保険金

動産総合保険の保険金は以下のようになります。

損害保険金:損害についての修理費や再購入費などを基に計算されます。動産総合保険のメインになります。損害保険金の場合は契約時の保険の対象物の時価額が基準になります。時価額とはモノを手に入れたときの価格から経過年数や消耗を差し引いた分の金額になります。この時価額を超えての保険金額は補償されません。

損害防止費用保険金:損害の拡大を防いだ場合の費用です。損害保険金を持ってしても不足する場合にのみ対象になります。

残存物片づけ費用保険金:残存物の片付けの費用です。損害保険金×10%程度が金額の相場になります。

臨時費用保険金:宿泊費などの事故に伴って発生をした場合の補償費です。損害保険金×30%程度が金額の相場になります。

その他特約で調査の調査費用や点検費用なども保険金の対象になります。

保険料

動産総合保険の保険料は対象の動産ごとに保険料が決められます。算定の基準は保険金額・保険期間・使用用途・免責期間などが目安になります。具体的な額としては動産の販売価格の1%程度が年間保険料となります。

高価な動産だけでも

動産総合保険の重要度は火災保険・自動車保険・運送保険・船舶保険などから比較しても重要度は高くありません。ですので他の保険との予算の兼ね合いで加入することが適切ではないかと思われます。ただ一品動産で高額な商品を所持・販売しているなどの場合は加入を考えても良いかもしれません。代替物を手に入れにくい・保険料を払ってでも商品の補償を受けたいなどの場合は損害と保険料とのバランスを考えて加入を検討しても良いのではないでしょうか。