製造業の損害保険のメリットと注意点

はじめに

製造業の保険としては施設賠償責任保険・生産物賠償責任保険・海外PL保険・業務災害総合保険・リコール保険・機械保険などがあります。製造業も事故が多く危険を伴います。このような理由からも多くの保険商品を取り揃えています。

施設賠償責任保険

施設賠償責任保険とは管理している建物などの欠陥で「人」に危害が及んでしまった時に補償される保険です。例えば工場などで保管をしている貯蔵タンクなどから何らかの原因で出火したなどの場合には当てはまる可能性があります。施設を管理している方であれば加入をしておくことをお勧めします。

生産物賠償責任保険

生産物賠償責任保険は作ったものや行った仕事の欠陥でその結果消費者の方に損害を与えてしまった場合の損害を補償していきます。例えば側溝などを作るときにつなぎ目のバルブを甘く締めてしまったために後日そこから水漏れが起こったなどの場合が当てはまります。あくまで工事完成後一定期間が起きてからの事故が対象になります。

海外PL保険

海外PL保険は輸出製品が原因で第三者に対する身体や財産に対しての損害に対して補償をしていきます。例えば海外向けに売った自社の商品に欠陥があってその方が負傷をしてしまった場合などであてはまります。欧米は日本よりも損害賠償の額がかなり大きいので海外PL保険への加入は前向きに考えていただきたいです。

業務災害総合保険

業務災害総合保険は労災保険だけではカバーできない部分を補償していきます。例えば設備などの安全配慮義務を怠った・人が少ないので恒常的に休憩時間を少なくして仕事をさせていたなどの場合であてはまります。パワハラ・セクハラなどのハラスメント行為にも適用されることもあります。

リコール保険

リコール保険は日本国内で製造もしくは販売した生産物に関して対人もしくは対物などの事故が発生もしくはその恐れがある時にかかる損害を賠償していきます。例えば車のブレーキの不具合が起こって車の運転に支障を来したなどのケースが当てはまります。事故になる前に製造元が気づいて自ら申告した場合も補償の対象になります。

機械保険

機械保険は機械設備などが故障をした時にその修理費用を補償される保険となっています。例えば従業員の機械の操作ミスで第三者の方やモノに対して損害を与えてしまった場合などがあてはまります。ただ機械保険を扱っている保険会社は多くありませんので加入の際の確認は必要になります。

まとめ

製造業の労働者は全国で1000万人から1200万人ほどいます。原子力・化学・電機などを中心に扱いに注意をしなければならない危険な物質を取り扱う必要があります。またクレーンやフォークリフトなどの運転も含めて危険を伴う作業を行う場合も多いですのでどうしても事故の割合が高くなります。

その際に保険未加入になってしまうと莫大な損害賠償を請求される可能性があります。一度の事故で会社が飛んでしまうことも考えられます。

そのような時のことを考えるとぜひとも保険に加入していただきたいものです。ただ建設業関連のすべての保険に加入するとなると資金の問題や手続き面などでもかなりの煩雑さになります。

あなたの会社や業務にとってどの保険に加入するのが最も効率的なのかを専門家の方と話し合って最善の策を講じていただきたいと考えています。

製造業に従事している方も長年在職しているとどうしても事故と遭遇してしまう可能性が高まります。そのような時も保険でカバーをしていくことでより安心して業務に集中できる環境を整えていただきたいと考えています。必要な保険に加入をしていくことが大事ですが、無駄な保険に入る必要はありません。

必要な保険か無駄な保険かご相談下さい。

足立 哲真 (Adachi Tetsuma)

  • R&C株式会社 代表取締役 
  • 一般社団法人日本企業地震保険協会 代表理事
  • 法人保険アカデミー 代表

金融サービスのプロフェッショナルとして世界中から認識されている国際的な組織MDRT(Million Dollar Round Table)の最上位メンバーであるTOT(Top of the Table)に2010年度より世界最年少で8年連続して入会。製造業も含む企業への財務戦略や経営者個人への資産防衛、資産運用のコンサルティングを専門とし経営者から高い評価を得ている。保険を活用したリスクマネジメントや資産形成に特に強みを持つ。現在、130名の金融に関するプロフェッショナルを社員として抱える金融事業者の経営者としても各界から高い評価を得ている。

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