宿泊業の損害保険のメリットと注意点

はじめに

宿泊業も初見の顧客を多く抱えているということもあって実際にトラブルになることも多くなります。そこから賠償責任などが出ないこともありません。

さらにオリンピックも行われることもあって外国人が絡む問題も起きる可能性が考えられます。そうなると大ごとになってしまう可能性があります。そのような時のためにしっかりとした保険に加入をしておくことは大事なことといえます。

宿泊業に関する保険としては旅館賠償責任保険が代表的になります。また生産物賠償責任保険や施設賠償責任保険なども考えられます。以下でこれらの保険について紹介していきます。

旅館賠償責任保険

旅館賠償責任保険は宿泊施設内で起きる大半のトラブルに対応することができます。ただこの保険に加入するためには旅行業としての許可が出ていることが条件になります。これが民泊施設になってしまうと加入のハードルが高くなります。

損害の範囲

ホテルの食事でツアーの団体旅行客が食中毒を起こしてしまった
ベランダの柵が外れてしまって階下を眺めていた旅行客が転落して亡くなってしまった
レストランの店員がお茶を運ぶ際に誤ってお客様の衣類にお茶をかけてしまった
フロントで預かっていた荷物を紛失してしまった

以下のような場合では宿泊施設が損害賠償を行う必要があります。このような時には旅館賠償責任保険の保障範囲になります。

また宿泊者ではなく会議室を利用している方・数時間の入浴と食事を楽しまれている方などが宿泊客と同様のケースになった時も補償の範囲に含まれます。

補償内容

旅館賠償責任保険で補償される内容は実際に損害を与えてしまった場合の損害賠償・トラブルが訴訟にまで発展した時の訴訟費用・そこまではいかなくても調査などを行った時の争訟費用なども補償します。

外国人の場合には入院や治療も含めて日本に滞在しているまでの期間が補償の範囲になります。帰国・出国をしてしまうと補償の対象外になってしまう保険会社が多くなります。

ただホテル側に過失がない場合でも見舞いなどの補償で対応をしていくことが多くなります。

特約

旅館賠償責任保険の特約として代表的なものに食中毒・感染症危険利益補償特約などがあります。この特約は旅館が食中毒などを起こしてしまった時に営業の停止になることが多くなります。そのような時の営業補償をしていきます。損害賠償はもちろんのこと評判が下がったことで落としてしまった売上の一部もカバーしていますので加入の検討をしてみても良いかもしれません。

生産物賠償責任保険

生産物賠償責任保険は提供したものに欠陥がある場合に顧客に損害を与えてしまった場合に適用されます。ホテルで提供をした食事が原因での食中毒などに適用されます。また販売している土産品などが基で食中毒になってしまった場合にも補償の対象になります。

施設賠償責任保険

施設賠償責任保険は管理している建物内でのトラブルが起きた時に損害を賠償していきます。従業員の誘導ミスなどで顧客にけがをさせる・自動ドアの故障などの施設の欠陥などで顧客にけがをさせる・顧客の所有物に損害を与えてしまった場合などに保険適用されます。

多数の第三者の方が出入りする宿泊施設のようなところだと施設面でも多くのトラブルになることも考えられます。そのような時のために施設賠償責任保険への加入が有効になります。補償と掛け金の安さのバランスがとても良い保険なので加入のメリットを感じられる方が多いのではないかと思われます。

まとめ

宿泊業の保険は旅館賠償責任保険・生産物賠償責任保険・施設賠償責任保険など。旅館賠償責任保険で大半をカバーできる。

特に最も可能性の高い食中毒は保険もしくは特約などで幅広くカバーしている。

旅館賠償責任保険は施設の不備・従業員のミス・食事での中毒など宿泊施設で考えられる大半のトラブルに対応している。

生産物賠償責任保険はレストランでの食事や販売している土産品などが原因で起こった食中毒の損害を補償される。

施設賠償責任保険は管理している建物の不備や従業員のミスで顧客の財物などを傷つけてしまった場合などの時にも補償される。