歯科医師賠償責任保険加入のメリットと補償の範囲まとめ

はじめに

歯科医師賠償責任保険は加入しなければならない保険として歯科医師賠償責任保険があります。歯科医師賠償責任保険は抜歯などの診療中のミスによる事故もしくは施設・設備の不備による事故が原因でけがをしてしまった場合に損害賠償責任を求められた時に賠償金などの費用を補償する保険です。

歯科医師として医療行為にかかわるとどうしても診療ミスを完全に防ぐことはできません。そのような診療ミスがあった時に補償がなされる保険になります。 医療行為を行うすべての歯科医師に必須の保険になります。歯科医師として医療行為にかかわるとどうしても診療ミスを完全に防ぐことはできません。そのような診療ミスがあった時に補償がなされる保険になります。

損害の範囲

歯科医師賠償責任保険は医療ミスが原因の賠償責任に備えた補償もしくは施設の不備が原因の賠償責任に備えた補償をしていきます。

医療ミスが原因の賠償責任は診断ミスなどによって患者の症状が悪化してしまったケースや手術ミスによって後遺症を負わせてしまった場合などが対象になります。

例えば麻酔が原因で体調が悪くなった・切開部位を間違えてお客様にけがをさせてしまった場合・インプラントが治療後にはずれてしまった場合などの時に対象となります。

施設の不備が原因での賠償責任は医療施設で起こった事故によって損害賠償を負った時に備える保険となります。医療施設賠償責任保険と呼ばれます。この保険は勤務歯科医の方は関係ありません。ただ科医院経営者の方には絶対に必要となる保険です。

例えば患者様が来院した際に自動ドアが故障して怪我をさせてしまった・医院内で滑って転倒した反動で怪我をしたなどの場合が対象になります。

補償範囲

歯科医師賠償責任保険の補償範囲は損害賠償金・損害防止費用・緊急措置費用・協力費用・訴訟費用などがあります。

損害賠償金は歯科医院内の治療中に発生した事故に対する損害になります。最もメジャーなものです。

損害防止費用は損害が一旦発生した損害を防ぐ措置を行う必要があります。そうしないと損害が拡大して損害賠償金もどんどん重なってしまいます。損害自体を防ぐ費用や損害の拡大を防ぐための費用も補償します。

緊急措置費用は事故が起きても応急措置や緊急措置を行うことで結果的に損害賠償責任を負わなくても良くなる場合があります。応急手当や緊急措置に使った費用などが補償してもらえます。

協力費用は保険金の額をどうするかを決定するのに保険会社から資料の提出を求められることがあります。この場合資料を作成したり集めたりするのに費用がかかるので「協力費用」として補償してもらうことができます。

訴訟費用は示談交渉を行ったり裁判をする時には弁護士などの力を借りなければなりません。そのための費用も補償されます。また裁判費用なども対象になります。

補償にならない場合も

歯科医師賠償責任保険は診療中の事故や施設の不備などによる事故などによって損害賠償責任を負った場合に損害賠償金などの費用をかなりの範囲で補償されます。ただ例外で補償されない時もあります。

ミスが故意または重過失もしくはひどすぎるミスの場合は補償されません。当業者レベルの診療技能を有している方がミスをしてしまった場合のみになります。

ヒアルロン酸治療などの歯の美容整形手術・歯を白く見せるためだけのホワイトニング・見栄えを良くするだけの歯科矯正は美容行為で保険の対象外になります。ただホワイトニングも虫歯の治療目的も兼ねて行った場合や虫歯の治療も兼ねた歯科矯正であれば医療行為になりますので保険の補償範囲内になります。

免許を有さない方が行った治療行為も保険の対象外です。医師免許を有さない方の治療を保険の範囲にしてしまうと賠償範囲が大きく拡大する可能性が高まります。また保険会社が補償をすることで無免許の方を助ける行為にもつながってしまうので犯罪に共助するというリスクにもなります。

同居の親族に対する場合も賠償の対象にはなりません。口裏合わせをすることで保険金を取れる可能性もありますのでこのような場合も賠償の対象になりません。

加入方法

歯科医師賠償責任保険は歯科医師を守るための保険です。損害賠償・損害拡大費用・訴訟費用などの様々なケースで補償の対象になります。特に開業歯科医の場合は治療ミスだけでなく施設内での患者のケガなども損害の範囲に含まれます。このようなケースも考えると加入しておくことでかなりの安心感を持つことができます。加入を前向きに検討していただきたいです。

歯科医師賠償責任保険は損害保険になりますので損害保険を扱っている保険会社もしくは保険代理店でないと加入をすることはできません。ただすべての損害保険会社・代理店が扱っている保険ではありません。むしろ扱っているところはとても少ないと思った方が良さそうです。その時は歯科医師会や歯科学会などを検討しても良いかもしれません。