はじめに
請負業者賠償責任保険は工事などで事故が起こってしまった時の保険になります。請負業者賠償責任保険は工事現場での作業途中に誤って他人の身体や財物に損害を与えてしまった場合の損害賠償をカバーしていきます。建設業者をはじめとして工事を請け負う場合であれば必ず加入をしておくべき保険であると思われます。
ただこの請負業者賠償責任保険はどこまで補償をされるのかまた逆にどのような場合に補償がされるのかなどを考えていきます。
請負業者賠償責任保険とは?
請負業者賠償責任保険とは工事中の施設などで他人の身体に危害を加えた・他人の財物に障害を与えてしまったりする場合があります。その場合は法律上の損害賠償責任を行うこともあります。そのような場合にあなたの会社が被る損害を保障する保険になります。
建設業総合賠償責任保険・事業総合賠償責任保険という保険とセットで総合的に行うものになります。あくまでも請負業者賠償責任保険の保障範囲は作業中の事故で他人に損害を与えてしまった場合というところになります。
また作業中の事故で発生した損害を保障するのがこの保険の内容となっています。作業後に損害を与えても保障はありません。
どのような工事に適用されるか
請負業者賠償責任保険の対象となる工事はどのようなものが該当するのか?
道路工事・地下工事・舗装工事・軌道建設工事・ビル建設工事・橋梁建設工事・各種建築物の工事・設備工事・移動工事・解体工事・取扱工事・プラントの設置工事・機械などの組み立て工事・鉄塔などの高層建築物工事・土地造成工事・荷役・造園工事・引越・運送・除草・除雪工事などを行っています。
たとえば作業員が高所工事をしている際に工具などを落として通行人がけがをした・塗装工事中にペンキがこぼれてそこを通った通行人にかかってしまった・クレーンなどが風などで横転して通行中の同社を破壊した・ビル工事の足場が風などで崩れて近隣の建物を傷つけたなどのケースで適用されます。
一方対象にならない工事は次のようなものになります。
土地の掘削・土地の沈下・隆起・振動などの土地の損壊・建物外部からの内部の雨や雪などの侵入・自動車やバイクなどの所有や使用などの管理・販売した商品や飲食物を原因とする食中毒などは保障の範囲に含まれません。
契約の種類
請負業者賠償責任保険の保険対象は年間包括契約や個別スポット契約があります。長期間の工事と短期間の工事に対して適用されます。
未加入のリスク
請負業者賠償責任保険は建設業者の方や工事業者の方であれば加入を考えていただきたいです。工事自体は危険が伴いますのでいざという時のために他人に与えてしまう損害の金額が大きくなってしまいます。また保険に加入すると被害者への対応も行うことができます。それによって企業のイメージを下げずに済みます。
請負業者賠償責任保険の主な特約
請負業者賠償責任保険の主な特約は管理財物損壊補償特約・支給財物損壊補償特約・借用財物損壊補償特約・工事遅延損害補償特約・地盤崩壊危険補償特約などがあります。
管理財物損壊補償特約は自社の管理している財産の破損などで損害が出た場合には損害賠償金が補償されます。
支給財物損壊補償特約は施設内で他人から支給された財物を滅失・破損や汚損などを行ったことで損害を行ったことで損害賠償を受けたものの損害に対して補償がされます。
借用財物損壊補償特約は施設内で他人から借りて使用・管理する財物を滅失・破損や汚損などを行ったことで損害を行ったことで損害賠償を受けたものの損害に対して補償がされます。
工事遅延損害補償特約は原因になる事故が発生をしたことで対象工事の請負契約書で定めた履行期日の翌日から工事が遅れて取引先の方に迷惑をかけた場合には保険金が支給されます。
地盤崩壊危険補償特約は地下工事・基礎工事または土地の掘削工事に伴う工事などに対して保険金が支払われています。
工事業者には考えてほしい保険
請負業者賠償責任保険は工事などを請け負う業者には必要な保険です。ただ工事中や作業中に他人に対して損害を与えた場合にのみ適用されます。工事の後であったり従業員などの内部の方に対して損害を与えてしまった場合にはこの保険の補償の対象外になります。
工事後に損害を与えてしまった場合には生産物賠償責任保険(PL保険)・従業員の内部の方に損害を与えてしまった場合には建設工事保険で補償をしていきます。